成功への道⑩〜理想の人生を生きる為に〜
4人目の出産に立ち会った後、入院中の家事育児は当然俺の担当である。
母親に手伝って貰いながら、何とか家を回しているが、体調が本調子ではないので身体が思う様に動いてくれない。
情けない気持ちで一杯になる。
ここで言う「成功」というのは単に世間一般でいう「大金持ち」になる事ではない。「自分の理想の人生を生きる」ことを一言で「成功」と位置付けた。そして勿論、自分自身「成功」している訳でも「大金持ち」な訳でもない。今まで歩んで来た道、これから進む目指すべき「成功」への道を自分の為に記録する事にしただけだ。そんなベンチャー社長の物語シリーズである。
物語シリーズ①はこちら
成功への道①成功への道①〜理想の人生を生きる為に〜 - 悠々日記〜7人家族その日暮らし〜
前回の物語シリーズはこちら
成功への道⑨
子供達を連れて入院中の妻の所へお見舞いに行った。妻の希望もあり、助産院で出産したのだが、個室、手作り料理、神対応の診察など、一般の病院とは全く違う。
しかも、安い!
(実はこれが一番有難い。補助金の範囲内で全て賄える金額なのだ。)
出産に立ち会った時は上の子供達と一緒にへその緒を切らせて貰ったりもした。
(勿論、子供達も出産に立ち会った‼️)
そんな素晴らしい助産院さんなので、大人数でお邪魔しても嫌な顔一つしない。
久しぶりに会うお母さんと産まれたばかりの赤ちゃんに子供達は夢中だ。
なんと微笑ましい光景なんだろうか。
そんな事を思いながら、束の間の休息を取ろうと布団に横になった途端、
寝てしまった。
もう一度言おう。
長い妊婦生活を経て、想像を絶する痛みに耐え、無事に出産を終えた産後間もない妻の布団で、
俺は寝てしまったのだ。
なんという失態。ミステイク!
アウトだ。これは完全にアウト!
数分後、
「あぁ〜、父ちゃんが寝てる〜」
という声に反応し目が覚めた。
「いや、そんな事ないよ…」
声に力がない。
「ちょっと横になってただけだよ?」
なんて白々しい言い訳をしても無駄だ。
現場を押さえられている。
「ごめん。ちょっと疲れてて寝てしまった…」
そう言うと
「お父さんも疲れてるんだから、休ませてあげようよ。」
と、妻の神対応。
なんて優しい妻なんだと思いつつ、心苦しい程肩身は狭かったが、
「すまん…」
と言い残し仮眠を続ける俺。
だが、当時はどうしようもなかったのだ。
既に冬のイルミの施工は終えていたが、動かない身体に鞭を打って現場に出て指示を出し、クタクタ(ボロボロ)になって家に帰り、週末は療養。そんな生活では体調は回復する筈もなく、ギリギリの状態で家事と育児をこなしていた。
妻の有難み
を入院中に噛み締めたのは言うまでもない。
お見舞いに行って、安堵したのは俺の方だった。
だからと言って妻の布団で寝て良い訳ではないのだが。
退院後、大変なのは当然妻である。
4人の子供たち(内、1人は乳飲み子)に要介護の病人(俺)まで面倒を見なくてはならないのだ。
お願いだから早く良くなって!
と懇願されてもすぐには良くならない。
俺も早く治したいんだが…
こればっかりはどうにもならない。
だが、GAPSのおかげで少しずつ回復している実感が持てたのは救いだった。
そのまま慌ただしく年を越し、春が訪れた頃にようやく動ける身体を取り戻す事ができた。
全快という訳ではなかったが、日常生活や仕事ができるまで回復したのだ。
そして、この病気を経て俺の人生は大きく方向転換して動き始める事になる。
〜悠々自適に生きる〜