悠々日記〜7人家族その日暮らし〜

5人の子育てに奮闘しながら悠々自適に暮らしているベンチャー社長の奮闘物語をゆるく発信します。

成功への道⑦〜理想の人生を生きる為に〜

それがチャンスだとは誰も気付かない

自分がやりたい仕事をする為に、フリーランスから脱却する為には資本力が必要だと今更気付いた俺はどうすればこのジリ貧生活から脱却できるのだろうかと日々悶々と考えていた。

勿論フリーランスで稼いでいる人は沢山いるだろうし、その生活を否定している訳ではない。

ただ俺の場合、最速でハットトリックを決めて子供が3人に増え、妻は育児と家事に追われる日々なので当然専業主婦(むしろ積極的に俺も手伝わないと家が回らない)状態で収入が不安定なフリーランスの仕事ではこの先到底養っていけない事が明白だっただけなのだ。

 

ここで言う「成功」というのは単に世間一般でいう「大金持ち」になる事ではない。「自分の理想の人生を生きる」ことを一言で「成功」と位置付けた。そして勿論、自分自身「成功」している訳でも「大金持ち」な訳でもない。今まで歩んで来た道、これから進む目指すべき「成功」への道を自分の為に記録する事にしただけだ。そんな(今はまだ誰も知らない)ベンチャー社長の物語シリーズである。

物語シリーズ①はこちら
成功への道①
成功への道①〜理想の人生を生きる為に〜 - 悠々日記〜7人家族古民家暮らし〜

前回の物語シリーズはこちら
成功への道⑥

成功への道⑥〜理想の人生を生きる為に〜 - 悠々日記〜7人家族古民家暮らし〜

 

実はリフォーム事業を始める前から自分(と我が家)の窮地を周りに相談していた甲斐もあっていくつか単発の仕事を頂いていた。

その1つがクリスマスディスプレイの仕事だ。

所謂デザイナーの仕事をしているので、インテリアや照明以外のデザインもできるでしょ?みたいなノリで仕事を頂いたのだ。

簡単に言うとホテルロビーのクリスマスツリーの飾り付けだが、リフォームの雑工事までこなす俺からすれば楽勝だ。

ただやった事もないので仕入れ先や装飾品の市場調査から始めなければならない。

google楽天等、先ずはネットで情報収集するもクソみたいな装飾品しかない。

次に浅草橋の問屋さんを物色しに行くも昔から殆どデザインも変わってなくネットで売られている様な物しかない。だが、色々と調べて輸入品を扱っている業者や品揃えの良い問屋さんを見つけた。だが、全く予算と合わない。

仕方ない、予算内で利益を出す為に普通の装飾品を使うか…

 

とは、ならない。

こんな俺に頼んでくれた方に喜んで貰いたい、ホテルの宿泊客やスタッフに喜んで貰える様なクリスマスツリーにしたい。

どうせなら自分が楽しんで、やるからにはやりきりたい。

そういう性分なのだ。

 

薄利になった分、クリスマスツリーはとても好評で、来年も仕事を貰える事になった。さらに、イルミネーションのLED化も検討しているので見積提案して欲しいとの事。

喜んで!

 

という訳で後日、LEDイルミネーションの見積提案をすると責任者の方が驚いて電話してきた。

「この金額は仕入額じゃないよね?ちゃんと利益取ってる?」

「一応、薄利ですが。他社より安くないと提案の意味がないと思いまして。」

と答えると、どことは言えないが、他社の半額以下だと言われた。どうやらこの業界はニッチなので、価格競争があまりないらしい。

確かに浅草橋のイルミネーションも高いもんなぁと思っていた。俺は色々調べて業者専用のネットで仕入れるサイトから金額設定していたので、圧倒的に安かったのだ。

おかげで提案が通り、施工まで対応できないかと依頼を受け、施工部隊編成を要請した名古屋の旧友と一緒にLED化を検討していたホテルに向かった。

忘れもしない。初めてホテルのイルミネーションをする事になった初島へ。

 

本部の人と一緒に現地入りすると、現場の担当者が迎えてくれた。こちらの年齢の低さに少し違和感を持たれた印象を受けたが気にしない。話を聞くとその担当者が、(一人で!)このホテルの広大な庭のイルミネーションの取付と管理をしているそうだ。

驚愕した。

 

昨年の施工写真を見せて貰ったが、とても一人で施工した様には見えない。約1ヶ月かかるそうな。どうやら、その方もプライドを持って取り組んでいるみたいだ。だからLED化の申請を本部に出したのだ。

 

これは本気で取り組まないとヤバイ。:(;゙゚'ω゚'):

 

フェリーに乗って初島に来たので、半ば観光気分で自分が来ている事に気が付いた。俺たちはプロの業者としてここに来ている。当然担当の方より遥かに高いクオリティが求められているのだ。

 

やったこと無いんですけどねっ!

 

甘い考えが吹き飛び、ただイルミネーションを取り付けるだけじゃダメだと思った俺は色々なアイデアを出した。そのうち、

 

「この水景の真ん中の島にイルミネーションのドームを作るのは如何でしょうか?」

 

なんて提案をしていた。

「きっと水景に映り込んで、まるで惑星の様に綺麗に見えると思いますよ。」

 

我ながら驚く程に冗舌だ。

屋外なので台風対策が必要になる為に強度の問題と、島なので重機がない為に施工の問題、更に予算の問題があると協議上判明した。

 

「ですが、検討する価値はあります。」

 

半ば押し切る形で現地を後にした。

やるしかない。この案しかないと思っていた。

 

できるかできないかではない。

やるかやらないか、なのだ。

 

早速、東京に戻りドーム制作について調査を開始した。ドームといえば通称「フラードーム」が一般的で最適な事が分かった。三角形構造のアレだ。

 

 

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こんなにでかいドームも建設可能。

 

だが、今からフレームを特注する時間も予算もない。その後数日かけて辿り着いたのが「スタードーム」だった。施工事例としては竹で作った小さいドームしかなかったが、部材を調達できれば施工できる筈だ。

 

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だが、低予算かつ納期まで殆ど時間がなく対応して貰える業者さんは見つからなかった。

本来は金物で製作する必要があるのだが、こうなったらホームセンターで手に入る部材を使うしかないと探し回った。

強度があり、耐食性にも優れて、しなる部材。

塩ビはどうだろうと探したが、強度と寸法が合う部材は当然扱ってない。

名古屋の施工部隊にも材料探しを手伝って貰っていた時に知り合いのものづくり工場をされている先輩から救いの手が差し伸べられたと連絡を受けた。すぐに名古屋に行って打ち合わせし、納期はギリギリだが、フラットバーと特殊な透明な塩ビパイプで施工しようという事になった。

スタードームの図面と3Dパースを持参し、打ち合わせした時に「構造的に六角形の方が良いのだけど、五角形じゃないとダメですか?」

と聞かれ

 

「ダメです。五角形じゃないとスタードームになりませんので。」

 

とドヤ顔で即答した。

なんて生意気な野郎なんだと思われたに違いない。だが、こだわった甲斐もあり想像通りのスタードームを完成する事ができた。

 

 

施工時は10個ぐらい問題が発生したが、施工まで付いて来て頂いた製作担当者と施工部隊チームの対応力のおかげで完成まで辿り着いた。

施工メンバーの誰もが完成できないと心配していたらしいが、俺は微塵も思っていなかった。

 

単純にやるしかない。

そんな心境だったので心配や不安等感じている暇がなかったのだと思う。

 

そしてまたしても、このスタードームを製作した事で殆ど利益は出なかった。

だが、その年のホテル全施設で配布される会報誌の表紙をスタードームが飾る事になり、そのおかげで他の施設のイルミネーションの仕事も任せて貰える様になったのだ。

こうしてイルミネーション事業が始まった。

 

多くの駆け出しのクリエイターやデザイナーは、自分の作品をつくる為に寝る時間を削り、利益度外視でより良い作品創りを心掛けていると思うし、それと同じ事なんだが、それができるか否か。仕事がなく、収入も殆どなく、借金してまで挑んだ仕事でも、お客様に喜んで頂ける作品にする為にたまたま利益が出なくたって、また次の機会を貰えたらその時は少し利益が出る様に工夫しようと思えるかどうか。

こんなやり方はプロの仕事とはいえないと思う人もいるかもしれない。

だが、独立したて、駆け出しの新人はそれぐらいやらないと仕事は貰えないと思うし、そもそも新人なのだからセミプロなのだ。

Give and Give and Give

しかないと思う。

誰もやりたがらない事、やらない事、

そこにチャンスが隠れてる。

だが、殆どの人はそれがチャンスだとは気付かないんだ。

 

人生は決断の連続だ - 悠々日記〜7人家族古民家暮らし〜

周りに困っている人や誰かに頼まれた事、友人の会社や事業にとってプラスになりそうな事は、どんなに自分の事業が上手くいっていなくても、どんなに忙しくても、積極的に、全力で助けてあげなければならないし、取り組まなければならない。

それが成功の秘訣なんじゃないかと最近思い始めた。自分が求めている事や困っている事に誰かの助けを求めるよりも、誰かが困っている事や求めているものを自分ができる範囲で積極的にお手伝いした方が自分も動き易いし、最終的に返ってくる事が多い。

 

〜悠々自適に生きる〜