悠々日記〜7人家族その日暮らし〜

5人の子育てに奮闘しながら悠々自適に暮らしているベンチャー社長の奮闘物語をゆるく発信します。

里山資本主義とは

引越先の古民家を管理されている名人えびすさんより里山資本主義という本をお貸し頂いた。

 

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東京出張の新幹線の中でスタバのコーヒーを飲みがらMacBookでメールの返信をした後に読む本ではないのは承知の上だが、面白い!

 

名人からこれからの里山の可能性やヒントがこの本から読み取れる筈じゃ。(実際にはこんな言い方はしていないが、そう聞こえてしまう)と紹介された。

 

本書は映画「もののけ姫」に登場するタタラの民と呼ばれる製鉄所がある村のモデルにもなっている島根県出雲安来地方や岡山県真庭市の「木質バイオマス発電」の取り組みを始め、広島県に在住の方が発明した「エコストーブ」の紹介からオーストリアバイオマス発電最先端事例まで取り上げ、日本で衰退の一途を辿っている林業にスポットを当てて里山の魅力と可能性を伝えている。

 「里山資本主義」とは

里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え方だ。お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを予め用意しておこうという実践だ。

勘違いしないで欲しいのだが、江戸時代以前の農村のような自給自足の暮らしに現代人の生活を戻せという主義主張ではない。

筆者はこの様に述べ、マネー資本主義へのアンチテーゼとして3つ挙げている。

 

・貨幣換算できない物々交換

・規模の利益への抵抗

・分業の原理への異議申し立て

 

詳しくは是非読んで欲しいとこですが、要はお金が全てじゃないよねって話と、大量生産されてる物や食べ物ってろくな物ないよねって話(自分解釈では)。それについては激しく同意!

自分は フランチャイズのお店には自らは絶対に行かないし、極力コンビニ弁当やファストフードも食べない様にしています。それにお酒が大好きなので、個人経営されているこだわりを持っている素敵なお店を見つけると本当に幸せな気持ちになります。

本書は冒頭よりリーマンショックや3・11東日本大震災の教訓から始まりますが、現在の経済システムに警鐘を鳴らしているわけです。里山資本主義は未来の持続可能なシステムの中で数ある選択肢の1つとしてとても魅力的な主張だと思う。古き良きにスポットをあてる。温故知新の精神。自分は今後益々原点回帰の流れが強まってくるのではないかと思っています。

ちなみにリーマンショックについては映画「マネーショート」を観ると非常に分かりやすいです。当時の異様な空気が感じとれます。

 マネー・ショート 華麗なる大逆転 - 作品 - Yahoo!映画

 

金融崩壊、世界経済の停滞、原発神話崩壊、迫り来る大地震の可能性等。今まで当たり前に享受してきた物(電気、水、食糧、お金等)は決して当たり前の物ではない事に多くの人が気付いたにも関わらず、目を閉じてそのまま走っている状態が現在の社会状況に近いのではないでしょうか。

まともな人なら一度は疑問に思う筈です。

本当にこのままで良いのだろうかと。

里山資本主義」とは、そんな現代社会のシステムを補完するサブシステムであり、古き良きにスポットを当てて、里山の資源に注目した素晴らしい主義主張だと思います。

 

あなたはお金では買えない

 里山資本主義を一足先に実践している人は、本当に面白そう、満足そうなのだ。なぜなのか。実は人というものの存在の根幹に触れる問題が、マネー資本主義対里山資本主義の対立軸の根底にあるからだ。

マネー資本主義は、やりすぎると人の存在までをも金銭換算してしまう。違う、人はお金では買えない。

〜中略〜

お金は他の何かを買うための手段であって、持ち手の価値を計るものさしではない。

 そして筆者は持つべきものはお金ではなく、2つの事だと主張する。

 

・人との絆

・自然とのつながり

 

 決してお金を否定している訳ではありません。お金は絶対に必要だし多いに越した事はないですよね。自分も事業を営む身として資金の大切さは身に染みていますが、「お金は目的ではなく手段だ」と常に意識しています。要は使い道や使い方が重要だということ。そしてもっと大事なのは人の恩恵への感謝と自然への畏敬と感謝。自分の子供たちにもそういう大事な事を覚えて欲しくて里山に移住することを決意しました。

 

後半は具体例や様々な取り組みを紹介しながらIターンやUターンと呼ばれる地方で活躍する若者達を紹介しています。

里山に移住する身としてはとても参考になります。名人えびすさんが特に伝えたかったのはこの辺りかもしれないなと読んでて思いました。

 

そのうち何故僕達家族が里山に引っ越す事にしたのか、子供の教育方針とか、その辺りも書いていきたいと思います。

 

〜悠々自適に生きる〜